チップバック植生工法は、廃棄物を「自然に返す」という考えに基づき、建設現場から発生するスキ取りや不要木材(伐根・
枝・葉)を植生基盤として再利用し、法面等の「安定と緑化」を図る工法です。伐根等に2次破砕を施し細かくすることで、
従来の植生基材吹付工と同等の設計基準・管理基準・機械設備・吹付施工方法での施工が可能となります。また、トロンメル
を使用しスキ取り物を分別することにより、現地スキ取り土を有効利用することもできます。現場条件などによりチップ材と
配合する植生基盤を土砂系と有機質系とに使い分け、吹付厚を選定することでより幅広い現場条件に対応することができます。

チップバック植生工法の手順は、「スキ取り物選別行程」「破砕行程」「吹付行程」の3つの行程に分別されます。

トロンメルを使用しスキ取り物を土砂・笹根・礫に分別します。
分別した土砂は、そのまま吹付材料と混合し再利用します。
笹根は「破砕行程時」に伐根等と一緒に破砕し、他の吹付材料と
混合して再利用します。礫については盛土材に利用してください。


伐根材に付着した土石を取り除くためにバックホウに取り付けた
油圧切断機を使用し破砕前処理を行います。
次に前処理の完了した伐根材とトロンメルで分別された笹根に
1次破砕を施し50mm程度に破砕します。次に1次破砕の完了
したチップ材に2次破砕を施し10mm程度の大きさに破砕しま
す。チップ材を10mm程度に破砕することによって従来の吹付
機械での施工が可能になります。


現場条件によって、植生基盤及び地山の安定を図るために金綱を
布設しアンカーピンで固定します。また、現場条件を検討し工種
(土砂系・有機質系)吹付厚を決定します。吹付に必要な機械設
備・能力・施工方法は、従来の植生基材吹付工と同様のため共通
仕様書の施工管理基準・出来形管理基準をそのまま採用すること
ができます。
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伐根材等を10mm程度に2次破砕することにより、特殊な機械設備を必要とせず通常の吹付機械設備での施工が可能です。

通常の吹付施工が可能なため、共通仕様書の施工管理基準・管理方法をそのまま採用することができます。

施工条件により吹付厚および配合材料(土砂系と有機質系)を使い分けることで、従来の植生工法選定フローによる工法選
定が可能になります。リサイクルに限らず工法や吹付厚を使い分けることでも低コスト化・省資源化を実現できます。

10mm程度のチップ材を全体にムラなく含んでいることにより、雨水・凍害等による浸食に強く保水性・保肥性・通気性に
優れ安定した植生基盤を造成することができます。また、通常の吹付機械を使用するのでムラのない安定した仕上がりとな
ります。

スキ取り物選別状況 破砕前処理状況 1次破砕状況
2次破砕状況 吹付状況(有機質系) 吹付状況(土砂系)

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